トイレが寒いと感じる方はいませんか?
全館空調や全館床暖房なら、そんなこと全く感じないでしょうけど、
高断熱高気密の家って、5年前は本当に少なかったんですよね。

そこで、トイレが寒いと感じる家のリカバリー方法を伝授いたします。
完全に寒さがなくなるわけではありませんが、効果が出る家も多いです。
断熱改修や2重窓より、リカバリー費用が抑えられますので、ぜひチャレンジしてみてください。

寒いトイレの24時間換気をやめる

結論:シャッター付きの換気扇に取りかえよう!

もっとも手軽にできて、すぐに効果を発揮するのが換気扇をシャッター付きにすることです。

シャッター付きでないと、換気扇の電源をオフにしたときにガンガン冷気が入ってきてしまいますからね。

電源をONにするとパカっとシャッターが開き、逆に電源がOFFになるとシャッターが自然に閉まる構造で、交換するだけですぐに寒さ対策の効果を発揮します。

トイレが寒い原因は、賃貸クセが抜けず「過換気」だった

我が家のトイレは非常に寒かったです。脱衣室などに比べて2度くらい寒く、換気扇が原因ではと疑っていました。

サーモグラフィーで見ると、こんな感じで冷気がトイレ内に入り込んで来ていました。

ちなみに、床下からの断熱欠損はすでに改修済み。水道屋さんが床下断熱を削りまくって配管を通していたので、ウレタンスプレーでリカバリーしました。

窓の原因も考えられますが、縦すべり窓だと2重窓を取り付けずらいので、まずは換気扇からチャレンジです。

比較的暖かい7地域なので、
・ 第三種換気
・ エアコン+LDKのみ床暖房 です。

建築基準法上、換気回数は1時間に0.5回以上必要なので、家の体積250m3に対し、125m3以上が24H換気で必要です。現在の換気は6箇所常時稼働になっています。建築確認申請書をみながら、具体的に数値を調べると

部屋 24H換気
計画
換気量 実際の運用
1階 キッチン 60m3 24H
1階 トイレ 35m3 24H
1階 浴室 95m3 24H
1階 脱衣室 60m3 夏のみ24H
2階 廊下 95m3 24H
2階 トイレ 35m3 24H
合計 380m3

建築確認申請書では②⑤⑥で申請を上げていますので、実際住んでみると、計画より2.3倍の換気量でした。

これでは寒いのも当然ですよね。家を暖めても暖めても、すぐに空気を入れ替えてしまっています。

数値上は計画より2.3倍の温かい空気を捨てているのですが、6箇所からの排気なので負圧がかかり、2.0倍程度に少し落ちると想定しても、無駄に空気の入れ替えをしてしまっていたことは反省すべき点です。

トイレの換気扇を24時間非対応の高気密シャッター付きに変更

賃貸派の方は、シャッター付きの換気扇に交換するくらいしか手がありませんが、戸建て住宅の方はもっと便利に暮らしたいですよね?

通常、24時間換気に指定されていると、ONかOFFしかないスイッチになるかと思います。実際の暮らしでは、トイレの後はすぐに換気扇を切りたくないので、トイレの直後は換気扇は切りません。では、温かい空気が逃げてしまうので、30分後にトイレに用事はないですが、換気扇のスイッチだけ切りにくるって現実的ではないですよね。

めんどくさすぎます。毎日何度も行う生理現象ですから、なおさらメンドクサイ。

そこで、カタログを隅々チェックして見つけたのが、
① 高気密シャッター換気扇
② 人感スイッチ&換気扇遅れスイッチ対応
③ 調光式ライト
の3点セットです。部材費用自体は2万円くらいなので、比較的安価に交換できます。(あとは電気工事次第)

近所の電気屋さんに電気工事は依頼するべし

まず、住宅を建てたら、最寄りの小さな電気屋さんの顔なじみになりましょう。上記の部材を用意し、電気工事をお願いすれば良いです。

ここでの注意ポイントは3点あります。

絶対に値切らない

小さな電気屋さんは個人経営が多いでしょうから、言われた額を現金ですぐに支払いましょう。もともと、一件の工事だけでは儲かる仕事ではありませんので、部材購入しての工事だけの依頼を受けてくれるだけで、とても良い電気屋さんです。また、部材購入までお願いする場合でも、なるべく商品選定に時間がかからないように気づかいを忘れないようにしましょう。

工事期日・内容に文句を言わない

工事を行ってくれる場合は、スケジュールは電気屋さんに合わせましょう。下請けに依頼する大きなリフォーム会社と異なり、個人経営となるでしょうから、スケジュールが空いている期間でしか工事してくれません。エアコンの設置が多い夏場などは忙しいかもしれません。また、

今後も定期的に利用することを前提に

電気工事士の資格を持っていない家にとって、近所の電気屋さんは最強の助っ人となります。小さな工事を依頼するところから関係性をつくり、いざという時に助けてくれるような関係性ができていると、多少の工事費の高さなど全く気になりませんから、将来を見据えてお付き合いを行いましょう。

すべてを家を建てた工務店にお任せするのも一つの手ですが、アフターサービスは工務店にとってあまり儲からない仕事ですから、多くを期待しない方が良いと思っています。

第3種換気の最大のメリットは、破格の安さ

換気扇は高気密シャッター付きでも、ダウングレードとなりやすく買えました。24H対応なので、人感センサーで人がいない時に換気能力を弱めるという機能がついていたようです。弱いパイプファンは、冷気が外部から逆流してくるので、なおさら寒さを感じていたかもしれません。

第1種換気システムだと、交換するのに数千円では絶対に済みません。たとえ電気工事士の資格を持っていても、自分一人で行えることもないでしょう。今回購入した換気扇は高気密シャッター付きだけど、シンプルなタイプ。余計な機能はゼロで、換気扇より高い、高機能なスイッチに接続します。

本来は、スイッチと同時交換をオススメしますが、コンセントタイプならばネジ2本で外して、だれでも簡単に交換できます。

高気密シャッター付き換気扇 約6,000円

コンセント付きタイプ(コンセント必要)
コンセントなし直結タイプ(電気工事必要)

超優秀な人感センサー付きスイッチ 約11,000円

優秀過ぎる機能なのに、ネットショップでは説明が少なすぎて全然人気なさそうです。人感センサーが起動すると、自動的に照明と換気扇をONにしてくれます。

そして、照明と換気扇の点灯時間や切れる時間を細かくつまみで調整できます。もはや、3種換気のトイレは全部コレにしちゃった方が良いと思いますが、換気扇のために長時間調べて、選ぶ施工主もいないでしょうからね。

スイッチをバラすとこんな感じ。電気工事士の資格があれば超簡単。試験なんかよりよっぽど楽です。

左の24H換気扇スイッチは空っぽです。右側のスイッチに照明と換気扇が集約されています。照明は今まで通り人感スイッチで10分後に消灯。換気扇は人感でONし、15分後にOFFとなります。

▪️ 換気扇 電源OFF

▪️ 換気扇 電源ON時

換気扇のモーターは非常に小さいものになり、ゴォォォという音が小さくなった気がします。
ピタッとシャッターが閉じた時には、今までと違い外からの騒音もシャットアウトし、非常に静かになりました。

換気扇交換後のサーモグラフィーでは、かなり温度が改善

換気扇周りの壁面温度は14度。やはり、簡易的な取り付けなので壁を伝って冷気が入っているのが見えます。

唯一のデメリットは調光式のLEDが必須 約3,000円

電気工事士の免許がないと、上記の工事をすべて依頼しなくてはいけないので、価格があがってしまいます。調光式LEDといっても、ネットで購入すると、破格の安さで購入ができます。

換気扇交換の費用まとめ

部材代 合計20,000円 

電気工事士免許を持っていれば、部材代と工具代で交換することが可能です。今後も家のメンテナンスを自分で行っていきたい場合は、必須の資格なので、思い切って取得してみてはと思います。

最後に

高気密シャッター付き換気扇への変更は、とても安くて効果が抜群でオススメです。ですけど、きちんと人感スイッチ連動させないと、効果を発揮しませんのでお気をつけください。

また、賃貸から戸建てに住み替えた方は、過換気にも注意してください。換気扇を変えるより、少し換気扇のスイッチを切り、換気を絞り込むことで、室内の寒さが改善することがあるかもしれません。

少しでも参考になる情報があれば幸いです。
最後まで見ていただきありがとうございました。