内窓の落とし穴:台風の後に起きた「おもらし」の正体
断熱や防音のために、家中の窓を「内窓」へとリフォームした我が家。 その快適さに満足していた矢先、思いもよらない事件が起きました。
ベッドの下に広がる水たまり
ある台風の日のこと。小学5年生の次男の部屋で、ベッドの下に大きな水たまりができているのを見つけました。 最初は「まさか、おもらし……?」と疑いましたが、実はこれ、深刻な雨漏りだったのです。
数日間気づかずに放置してしまった結果、床の幅木(はばき)からじわじわと水が染み出し、最悪の事態を招いていました。雑巾で水を拭いても、床に染み込んでいます。


盲点だった「内窓あるある」
なぜ、これほどまでに雨が侵入したのか。原因は極めてシンプル、かつ内窓ユーザーなら誰でも起こりうるミスでした。
「外窓」を全開にしたまま、「内窓」だけを閉めていた。
内窓(樹脂サッシ)は気密性が非常に高く、外の嵐の音さえ遮断してしまいます。その静かさゆえ、外窓が開いていることに子供が気づきませんでした。もちろん、子供部屋の窓が開いているかどうかなんて、他の家族はいちいち確認しません。
通常、深い軒(のき)があれば雨は入ってきませんが、台風の激しい風雨は内窓のサッシを直撃しました。 サッシを固定しているビス穴から雨水が侵入し、壁の内部へと伝っていったのが今回の真相です。当時はコーキング処理をしていなかったため、ビス穴がそのまま水の通り道になってしまったのでした。

被害状況の確認
発見したときにはすでに数日が経過。壁の内部にはカビが発生し、石膏ボードもボロボロに弱っている状態でした。 本来なら工務店へ依頼する案件ですが、今回は自分の手で直すことに。
階下への影響をチェック
まずは、2階から漏れた水が1階の天井まで達していないかを確認しました。

- LEDダウンライトを外す: 100mm程度の穴から天井裏を覗き込みます。
- スマホの動画撮影を活用: ライトを点けながら動画で広範囲を撮影。写真よりも一度に多くの情報を確認できるため、確実な診断が可能です。
幸い、1階への漏水は見られませんでした。念のため、1階と2階の間の空間には「SwitchBot」の温湿度計を設置し、異常な湿気の上昇がないかを遠隔で監視する体制を整えます。
徹底抗戦:カビと湿気を追い出す「乾燥」の極意
石膏ボードを外すと、そこには吹き付けウレタンが露出し、床のフローリングまで変色するほどの惨状が広がっていました。ここからが本当の勝負です。
1. 巾木(はばき)を迷わず剥がす
まずは雨漏りの全容を把握するため、巾木をすべて取り外します。「マイティーバール」という小さなバールを使い、壁との隙間を狙ってメリメリと剥がしていきます。多少の傷は後でコーキングすれば隠れるため、ここは躊躇せず力技で進めます。



2. クロスを剥がす
窓枠下のクロスを剥がします。

3.最小限に石膏ボードを外す
まず、石膏ボードのビスを探して目印を書き、彫刻刀でパテをほじ理、ビスの頭を出します。



あとは、マイティバールで力ずくで石膏ボードを外します。

4.しっかりと乾燥させる
濡れたボードを外した後は、数日間かけて徹底的に乾燥させました。

- 空調のフル活用: 扇風機やエアコンを回し続け、壁内部の湿気を追い出す。
- 床のシミ対策: フローリングに染み込んだ水分は、ドライヤーを当てて根気強く乾かす。
ここで活躍したのがサーモグラフィーカメラです。 水に濡れている箇所は画像上でハッキリと「青く」表示されます。目視では乾いたように見えても、カメラで見るとまだ冷たい(=水分がある)ことが多々あります。この「青色」が完全に消えるまで乾燥させるのが、後々のカビ再発を防ぐ絶対条件です。


5.濡れていない部分の復旧
石膏ボードを元に戻します。濡れてカビた部分のみ切り取って、取り除きました。そして、さらに数日間乾燥。

6.石膏ボード取り替え
以前使って余っていた12.5mmの石膏ボードをカットして、ピッタリはまるように準備しておき、乾燥が完了したら取り付けます。


多少の隙間はファイバーテープとパテで見えなくなるので問題なしです。

7.巾木を取り付け、クロスを貼る


8.内窓の取り付け直しと、浸水防止仕様
決め手は「コーキング処理」
最後に内窓を再設置しますが、ここで以前と同じ付け方をしては意味がありません。今回の教訓を活かし、浸水防止仕様にしました。
- 下枠のコーキング: 内窓の下枠外側部分にしっかりとシール材を充填。
- ビス穴の防水: 下枠の4箇所のビス、およびサイドの1個目のビスをコーキングで埋める。
こうすることで、万が一サッシに水が溜まっても、壁の内部へ侵入する経路を完全にシャットアウトできます。おそらく、通常の内窓設置の場合は、非常に安価な設置費用となっているので、浴室以外はコーキング処理までは行なっていないでしょう。水が侵入しやすい窓部分はコーキング処理した方が良いかもしれません。外枠は外窓があり、かなり手間がかかります。




最後に:静寂が生んだ「安心の代償」
内窓の気密性は素晴らしいものです。しかしその静かさゆえ、外で嵐が吹き荒れていても、窓が開いていることにすら気づかないという盲点がありました。
今回のDIY対策で、たとえまた次男が外窓を閉め忘れたとしても、もうベッドの下に水たまりができることはないでしょう。
ほとんどのご家庭は外窓を開けっぱなしで放置しているなんてことはないと思いますが、浸水してしまった場合にはぜひ参考にしてみてください。


