家づくりの後悔をゼロに。憧れの海外製食洗機をリーズナブルに手に入れる、引き渡し後の『第2ルート』

新築やリフォームでキッチンを考えるとき、ほぼ全員が一度は憧れるのが海外製食洗機、その中でも王様格の「ミーレ(Miele)」です。ただ、見積もりを取ると本体+設置+キッチンのグレードアップで合計100万円コースに膨らみがちで、ほとんどの方が「無理だな」と諦めて国産の浅型に着地します。本記事では、私が実際に5台の中古ミーレを乗り継いできた経験から、新品の半額以下で導入する中古活用のコツ、自分で配管・電源工事までこなすDIY設置の手順、そして長く使うためのメンテナンスのポイントまで、まとめて解説していきます。

憧れの海外製食洗機「ミーレ」を賢く導入する方法

ミーレを「夢の家電」のままで終わらせず、現実の我が家に持ち込むためのアプローチは大きく2つあります。1つは中古市場を使ってコスト面の壁を越えること、もう1つはDIY設置で施工費の壁を越えることです。この章では、なぜ普通に頼むと予算オーバーになるのか、そしてその壁を中古とDIYでどう乗り越えるのかを順に整理していきます。

新品ミーレを普通に導入すると、なぜ予算オーバーするのか?

新築の打ち合わせでショールームに足を運び、見積もりを見て固まった経験のある方は少なくないはずです。新品ミーレの本体価格は数十万円、そこに設置工事費、さらに「ミーレが入るキッチンに変更してください」と言われてキッチン本体のグレードアップ料が加わると、合計が100万円を超えるケースも珍しくありません。

営業担当の方からは、「35年ローンで割れば月々4,000円ほどです」と背中を押す説明をされることがあります。たしかに月割では小さく見えるんですが、新築の高揚感が冷めてから振り返ると、食洗機ひとつに数十万円のオプションをかけたことに違和感が残るはずです。予算に十分な余裕がある方はそのまま新品で導入していいんですが、そうでない場合は別の道を検討する価値が大いにあります。

フロントオープン食洗機が「時短家事の救世主」と呼ばれる理由

そもそも、なぜここまでミーレが憧れの的になるのか。それは「フロントオープン(前開き)」という形式が、家事の時短に直結するからです。扉を手前にバンと開けると、上下2段のカゴをそのまま引き出せて、鍋・フライパン・食器・カトラリーまで1日分をまとめて放り込めます。共働き世帯や子育て世帯にとって、これは本当に強い武器です。

一方で、日本のシステムキッチンは国産の45cm幅・引き出し式を前提に設計されているケースが多く、ミーレを組み込むには専用の設計と200V電源が必要になります。つまり、ミーレを家に入れる戦いは「価格」と「設置の難易度」の二正面作戦になります。本記事では、その両方を中古活用とDIYで解決していくアプローチを紹介します。

🌟 中古ミーレで「夢」を「手の届く現実」に変える

新品で諦めかけた方にこそ、まずチェックしてほしいのが中古市場です。ミーレはもともと「20年使うこと」を前提に設計されている、家電としては異例レベルの堅牢さを持つ製品です。だから中古で買っても、寿命の半分以上は残っています。ヤフオク・ジモティー・メルカリといった中古サイトを見ていると、リフォームに伴って外された個体や、使い切れなかった別荘物件から出る個体が、新品の半額以下で並んでいることがあります。

食洗機は基本的に消耗が少ない家電なので、よく使われていた個体ほど内部も清潔に保たれています。逆に、使われていなかった別荘出品もたまに掘り出し物として出てきます。出品頻度はそれほど高くないので、半年〜1年スパンでウォッチしながら相場感をつけて、納得のいくタイミングで動くのがコツです。

選ぶサイズは45cmと60cmの2択ですが、迷ったら60cmフルサイズ一択です。容量が桁違いに違うので、後悔しません。

参考までに、我が家の購入履歴を全部公開しておきます。途中で45cm機を買って即廃棄した分も含めて、これまで中古で5台買っています。「親世代が新築で入れたけど、子世代が建て替えで外した」「故障で買い替え」など、世の中には恵まれた出物が一定数あって、タイミングが合えば本当に格安でミーレが手に入ります。

購入年月品番サイズ中古サイト価格雑費
2020年
6月
G1140SCU60cmジモティー60,000円交通費10,000円
2021年
12月
G1534SCU60cmヤフオク27,000円
※修理80,000円
便利屋で引き取り発送14,300円
2022年
6月
G6100SCi60cmヤフオク110,000円着払い15,000円
面材張替え10,000円
2023年
7月
G4920SCi60cmヤフオク70,000円着払い8,000円

DIY設置なら追加費用は2〜3万円で済む

本体を中古で安く手に入れた後、業者に設置を頼むとそれだけで数万円が飛びます。ですが、配管や面材の取り付けはDIYで十分対応可能で、私の場合は部材費2〜3万円程度で完結しました。耐久20年と言われる本体に、5年経った中古でも残り15年使える、という前提で考えれば、DIYで節約した数万円の元は余裕で取れます。

ミーレ本体はほぼ全身ステンレスなので、思っているほど壊れません。配管部材も特殊なものは不要で、ホームセンターで揃う汎用品で組めます。

※ ただし電源工事の一部は第二種電気工事士の資格が必要なので、無資格の場合はそこだけプロに依頼してください。

DIYで全部やる必要はなくて、「ここまでは自分、ここからはプロ」という線引きを最初に決めておくのが、失敗しないコツです。日本のキッチンの多くは100Vで動いているので、ミーレに必要な200V単相電源への切替や専用コンセントの取り付けは、近所の電気屋さんか配線計画段階でハウスメーカーに相談するのが一番安全です。

取り付け前に必ず確認したい3つのチェックポイント

海外製食洗機を取り付ける前に、必ず押さえておきたいポイントは次の3つです。

  1. 電源が200Vであること(国産は全社100V)
  2. 給水と排水の位置・高さが海外製仕様に合っていること
  3. キッチン天板下までの高さに本体が収まること

同じ海外製同士の入れ替え(ボッシュ→ミーレ/ASCO/ガゲナウ/AEG など)は楽です。サイズ規格がほぼ揃っているので、横幅と高さだけ確認すれば、ほぼ「すっぽり」入ります。

大変なのは国産から海外製への切替です。これはDIYでやるとなかなかの難易度になるので、次の章で詳しく解説していきます。

ミーレの設置準備(国産→海外製への切替)

国産食洗機の取り外し(浅型ユーザーは特に要注意)

国産食洗機は、深型と浅型で構造が大きく違います。見た目は似ていますが、外しやすさはまったくの別物です。

深型食洗機はビスを外せば本体だけ取り出せます。そのスペースに45cmの海外製食洗機を入れるのは、比較的シンプルです。

一方で浅型食洗機は、本体が専用キャビネットに収まっている構造なので、本体だけ抜いても専用キャビネットが残ります。海外製を入れるためには、このキャビネットごと外す必要があり、そのためには天板を持ち上げてキッチン側面のコーキングを切り、ほぼ全解体する作業が発生します。

つまり、浅型食洗機からのリフォームは深型に変えるだけでも相当な大工事になります。これから新築・リフォームで食洗機を選ぶ方は、将来海外製に変える可能性を1ミリでも残しておきたいなら、絶対に浅型を選ばないでください。最低でも深型、できれば最初から海外製対応のキッチンを選ぶのが正解です。

作業前のキッチンの状態

我が家のキッチンはクリナップのKTシリーズです。収納部分の使い勝手はとても良かったんですが、食洗機下のキャビネットが75cmで横に連結されていて、しかもキャビネット同士が一体化しているという、取り外しを徹底的に拒んでくる仕様でした。

作業後の状態

天板を持ち上げて、キャビネットを丸ごと引き抜き、キッチンを元通りに復元しました。コーキングは正直適当ですが、生活には支障ありません。

写真で見ると簡単そうに見えますが、実際の作業は本当に骨が折れました。手順は次のとおりです。

  1. すべての引き出しを抜き、隣接キャビネットとの連結ネジを外す
  2. グリルを持ち上げて固定ネジを外す
  3. 隠れているネジ(だいたい数本ある)を全部探して外す
  4. 外せない配管カバーは思い切ってカット
  5. 側面・背面のコーキングを大胆にカット
  6. 天板を持ち上げ、キャビネットごと引き抜く

もはやキッチンの破壊作業に近いです。「浅型を選んではいけない」と強く言うのは、この一連の作業を経験すれば誰もが同意するはずです。

取り外したキャビネットと国産浅型食洗機

取り出してみてあらためて感じたのは、浅型食洗機本体の小ささです。逆にキャビネットは大きくて、本体とのアンバランスさが際立ちます。限られたスペースに無理やり詰め込む日本のキッチン事情がよく分かる構造で、住む人の快適さよりも収まり優先で設計されているのが、外してみるとよく見えてきます。

海外製食洗機用の配管移設

国産と海外製では給排水・電源の取り回し位置がまったく違います。国産用に開いている穴を流用するのは難しいので、ドリルで床に穴を開け直すのが基本です。

我が家は60cmのスペースのうち15cmほど余ったので、そこをパイプスペースとして使い、メンテナンス時にすぐアクセスできるようにしました。これは長く使うことを考えると地味に効きます。スペースが取れない場合は、水栓下に給排水・電源を集約するのが一般的なやり方です。

100V→200Vへの電源変更

家庭用国産食洗機は、パナソニック・リンナイ・ハーマンなどメーカーを問わずすべて100Vです。これに対して、ミーレなど海外製は200V単相電源が必要になります。

最近の新築では、エアコン・食洗機・IHなど大電力家電に専用配線が引かれていることが多く、我が家もリンナイ食洗機の100V専用配線がキッチン裏まで来ていました。今回はこれを流用し、200Vへ切り替える形で工事しました。

200V電源への切り替え方法

電気工事士の資格を持っていない場合は、ここは絶対にDIYせず、近所の電気屋さんに依頼してください。電源切り替えと200V専用コンセントへの交換だけなら、費用もそれほど高くなりません。

我が家はパナソニックのスマートコスモ分電盤だったので、100V→200Vの切り替えはレバーを倒すだけで完了しました。これは本当に楽です。

注意したいのは、200Vに切り替えた回線に間違って100V家電を繋ぐと、その家電は一発で壊れます。資格保有者であっても、回線の専用配線確認は念入りに。我が家でも、分電盤から食洗機までの間に他の家電が分岐していないかを徹底的に点検してから、切り替えを実行しました。せっかく10万円以下でミーレを設置できても、別の家電を壊して数万円飛んでは本末転倒なので。

200Vコンセントへの交換

電気工事士の勉強で初めて知ったんですが、日本のコンセントは形状の種類が本当にたくさんあります。200Vだけでも複数あり、その中からミーレ施工説明書で指定されているものを選ぶ必要があります。

指定品はホームセンターで数百円で手に入るので、必ず100Vに戻してからコンセント交換を行います(活線作業は危険です)。

我が家は配線を一旦床下に落として、別の場所に開け直した穴から取り出すという少し変則的な工事をしました。海外製食洗機は本体の奥行きを目一杯使う設計なので、本体真後ろにコンセントや配管を残すことができません。一般的にはシンク下のひな壇状の給排水スペースに集約するのがスマートですが、我が家は右側にスペースを取って配置しています。

もう一つ注意点として、海外製食洗機は給水・排水の取り出し位置が床から高めなので、電源コンセントは床から500mm以上の位置に設置する必要があります(給排水の上に電源が来るレイアウト)。安全面に直結するので、ここはきっちり守ってください。

Miele 食器洗い機 設置・施工手順書(電気工事編)

電気工事で揃えた必要部材



業務用食洗機を家庭に入れたい人への落とし穴

「数分で食器を洗ってくれる業務用食洗機を家庭に入れたら最強じゃないか」と考える方もいますが、これは現実的にほぼ不可能です。理由は2つあって、サイズが大きすぎてキッチンに収まらないのと、業務用は三相200Vという別系統の電気を必要とするからです。

家庭に三相200Vを引き込むには、家庭用とは別に電力契約をもう1本作る必要があり、契約料・基本料金が二重にかかります。コストとスペースの両面で、家庭への業務用食洗機導入はやめておいたほうが無難です。

給水・排水の位置変更

電源と同様に、ミーレなど海外製食洗機は本体真後ろにほとんど隙間がありません。そのため、給水管・排水管も国産用の位置から海外製対応の位置へずらす必要があります。

このときポイントになるのがメンテナンス性です。電源と同じ場所に給排水も集約しておくと、何かあったときにそこ一か所を確認すれば済むので、長く使うほどラクになります。

Miele 食器洗い機 設置・施工手順書(給排水工事編)

床下の貫通穴をやり直す

DIY途中の写真がこちらです。給排水を全部右側に寄せる形で移設しました。反省点として挙げておきたいのが、貫通穴を近くに2つ開けてしまったことです。レンチで締める作業のときに工具が干渉するので、毎回作業しづらくなっています。これから工事する方は、隣の穴と数cmは間を空けることを強くおすすめします。

排水配管の延長と位置変更

床下に潜って断熱材を切り、L字継手で配管を直角に曲げ、右側に60cmほどずらしました。食洗機の排水は高温なので、もともとの配管に使われているHT管(高温対応)を2mほど追加で買い、継ぎ足して延長しています。普通の塩ビ管を使うと熱で劣化するので、ここはケチらずHT管一択です。

給水配管の位置変更

給水配管は、ある程度の余尺が確保できていたので、強引に引っ張る形で移設できました。一旦給水管をカットして床下に落とし、新しい位置で床上に出して、ワンタッチの給水継手1つで再接続しただけです。排水に比べると拍子抜けするくらい簡単でした。

貫通穴の断熱補修

我が家は床断熱工法なので、作業効率を優先して断熱材を大胆にカットし、大きめの貫通穴を開けて作業しました。穴あけが終わったら、必ず断熱補修をしておきます。

ちなみに、ついでに点検したらもともとのキッチン貫通穴も隙間だらけでした。新築時の施工がそこまで丁寧でないことはよくあるので、せっかく床下に潜るならついでに確認しておくのがおすすめです。

床下から発泡ウレタンスプレーで断熱補修を行いました。元の状態より厚めに、モコモコと吹き付けて気密も同時に確保します。 

このウレタンスプレー、肌や服に着くとほぼ取れないので必ず作業着で使ってください。私はTシャツ1枚を犠牲にしました。余ったスプレーは、屋根裏の断熱補強に使い切るのが無駄なくておすすめです。少しでも家の断熱性能が上がれば儲けものです。

床上側からは、エアコン用パテと気密テープで隙間を埋めて、二重に補修しています。ここまでやれば気密もばっちりです。

設置準備が完了した状態

海外製食洗機60cmのスペースを確保した完成形

給排水・電源を全部右側に集約しました。見た目では配管が見えてしまいますが、メンテナンス性を優先した結果です。水漏れは怖いので、いつでも確認できる方がいい、という判断です。先ほど触れたとおり、貫通穴を近くに2つ開けたのは反省点です。

床下から見た電源・給排水管の様子

床下から見るとこんな配管レイアウトです。素人DIYなので、排水勾配が若干逆になっている箇所もありますが、運用上は問題なく、水漏れもなく毎日まわっています。プロの仕上がりではないですが、機能的には十分です。

給排水工事で揃えた必要部材



海外製食洗機に変えてわかったメリット・デメリット

取り付けが終わって稼働させてみた率直な感想は、最新型に比べると動作音は少し大きめ、でもとにかく容量がデカいです。1日3食分の食器が一気に片付くのは、本当に生活が変わります。

海外製食洗機のメリット

  • 容量が桁違いに大きく、1日分の食器をまとめて洗える
  • 家族人数が多くても余裕で対応できる
  • オールステンレスのシンプル構造で、古い個体でも耐久性が高い
  • パーツ供給が長く(最低15年)、交換しながら長期間使える
  • 修理する技術者が熟練していて、再故障が起きにくい

海外製食洗機のデメリット

  • 本体価格が高い(新品は40〜50万円〜)
  • 中古市場の流通量が少なく、出物を待つ必要がある
  • 設置スペースの仕様が国産とまったく違う
  • 乾燥機能が国産より弱く、リンス材の併用が必要(リンスを使えばあまり気にならない)
  • DIYの難易度は高い(特に浅型キャビネットの取り外し)

これから導入する方へ

結論として、大型の海外製食洗機は「中古で本体を安く手に入れて、設置はプロ依頼」がコスト・手間・失敗リスクのバランスがいちばん良い選択だと思います。本記事で省略したぶんも含めて、浅型食洗機のキャビネット取り外しは本当に地獄なので、新築を計画中の方は最低でも深型食洗機、できれば最初から海外製対応のキッチンを選んでおいてください。後からの拡張性が天と地ほど違います。

ちなみに、すでに我が家には2代目以降のミーレが入っています。古いミーレを修理して売却し、今度は故障しかけの格安中古を入手して、自分で修理して使い続けているスタイルです。最初に手に入れた個体はサビと水漏れだらけの問題児でしたが、修理してからは毎日2回パワフルに動いています。

新築でブランドミーレを入れるのも憧れですが、世の中で「壊れたから手放した」と判断されたミーレも、手入れさえすれば余裕で現役復帰します。海外製食洗機の中古市場は、想像以上に夢が広がる世界です。「諦めかけていたけれど、もう一度検討してみようかな」と思った方は、ぜひヤフオク・ジモティーで気になるミーレをウォッチしてみてください。