太陽熱温水器の4つのデメリット

太陽熱温水器のデメリットを解説

太陽光発電ばかりが注目されますが、我が家は太陽光+太陽熱で、晴れの日は太陽の恩恵を最大限受ける体制になりました。

太陽熱温水器を設置して数年が経過していますので、ここで一度デメリットを冷静に検証していこうと思います。

エコキュートやオール電化への誘導、アンチガス派の記事ではなく実際に太陽熱温水器を設置して使い込んだうえでの「生の声」です。同じ選択肢を検討している方の参考になれば嬉しいです。

2026年「みらいエコ住宅2026事業」補助金

2026年の最新情報です。住宅省エネ支援の枠組みが「みらいエコ住宅2026事業」として再編され、太陽熱温水器(強制循環型)の設置で1戸あたり45,000円の補助金が交付されます。前年までの「こどもエコすまい支援事業」「子育てエコホーム支援事業」と比べても、太陽熱温水器単体の補助単価は引き上げられた形です。

ただし、補助対象になるのは強制循環式のみ。日本では昔ながらの「自然循環式(屋根置き直結タイプ)」には補助金が出ない、という構図が続いています。理由はおそらく、自然循環式があまりに耐久性が高く、業者のメンテナンス需要が生まれにくいから……というのがDIYerとしての肌感です。

太陽熱温水器の4つのデメリット

① デザインがダサい

既存の太陽熱温水器の多くは屋根置き。500m手前から見えるような、屋根の上にデーンと鎮座するシルエット。集熱能力こそ高いものの、見た目は……正直ダサいです。

同じ屋根上の機器でも、太陽光パネルとは印象が大違い。新築住宅のパースに屋根置き温水器を描き込んだら、まずカッコはつきません。

50年前の給湯器なら屋根置き必須だったかもしれませんが、現代の給湯器の能力なら、屋根置きでなくても十分に機能を果たすことが今回のDIYで実証できました。

我が家では、屋根置きでも地上置きでもなく、2階バルコニー置きにすることで、家の外観デザインを一切変えない方法をとっています。

本来は2階バルコニーで「ゆっくりとお茶を……」と思っていましたが、暑さと寒さと虫たちのおかげで結局年中窓は閉めっぱなし。バルコニーが温水器置き場になっても、生活には全く支障がありません。

新築時に「太陽光パネル+太陽熱パネル」のダブル発電仕様にすることもできますが、設置コストが格段にアップするのでオススメはしません。とくにオール電化住宅だと、そもそも太陽熱の活躍場が少なく、コストばかりが膨らむ一方です。

② 設置費用が高い

我が家の場合は、古〜い太陽熱温水器を5,000円でGET。解体・流用してDIYで設置し、トータル設置費はざっくり18万円で済みました。新品で買って業者に頼んだら、おそらく40〜50万円コースです。

夏場は費用対効果が見えづらい部分もありますが、現状で月間2,500円・年間30,000円ほどガス代が削減できる見込み。これに今回のみらいエコ住宅2026事業の補助金45,000円を加味すると、実質的な設置コストの回収はおおよそ4〜5年になります。

屋根置きではないので、メンテナンスは自分でできる範囲。維持費はほぼゼロ円です。万が一壊れても、分岐を切り替えるだけで元の給湯系統に戻せるよう配管しているので、生活が止まる心配もありません。

太陽光発電のように、10年・20年単位で再エネ賦課金という「ドーピング」に支えられて回収するのではなく、純粋にガス代の削減だけで設置コストを回収できるのが太陽熱温水器の強さ。光熱費削減の破壊力はかなりあります。

設置コストをさらに抑えたい方は、中古パネル・タンクを活用し、パネル〜タンク間のホースは80度までの耐熱ホースを選び、ミキシングバルブも安価なものを選定すれば、10万円以内での設置も十分に視野に入ります。

③ シャワーの水圧が落ちる

直圧式のタンクを置く場合、タンクの上流に減圧逆止弁を取り付ける必要があります。タンクを過大な水圧から守ること、そして上水道本管へ逆流させないこと、その両方が目的です。

その代償として、水圧が落ちてシャワーが弱くなるリスクがあります。今回のDIYでは、シャワーが弱くなりすぎた場合に備えて元の系統に戻せる分岐水栓も用意していましたが、施工後に実測した結果、体感ではほぼ問題なしでした。

とはいえ、減圧逆止弁は種類が多く、安易に「安いから」で選ぶと痛い目を見ます。タンクの最大許容圧力に近い数値のものを選ぶのがコツ。設置を業者任せにして、よく分からない減圧弁をつけられてしまうと、毎日のシャワーが弱くてイライラ……ということになりかねません。

私は温水タンクの規格に合わせて最大値の減圧逆止弁を探した結果、マンションの戸別給水で使われる「弁慶」という商品にたどり着きました。タンクのスペック表に書かれていた0.25MPaという数値はなかなか市販品で見つからず、最終的にモノタロウで購入後、メールで減圧圧力を指定して入手しています。明らかにオーバースペックではありますが、安心感は段違いです。

気になる実測の給湯流量はこちら。

シャワー 7.6リットル/分

カラン 10.0リットル/分

お風呂のお湯張りは毎分12リットルと、設置前とほぼ変わらない結果。日常使いで困る場面はありませんでした。

④ 給湯までの待ち時間が長い

これがいちばん体感するデメリットでした。

仕組みとしては、温水タンクを経由してお湯を出します。タンクが熱湯状態のとき、ミックス弁で湯温を下げてからお湯を出すため、最初の20秒ほどは水を混ぜながらジリジリと湯温を上げていく動きになります。

最終的に40度に到達するまでに25〜30秒。我が家はパネル1枚運用なので、タンクの湯温は高くても40〜45度。「そんなに水を混ぜなくてもいいのでは……」と感じる時間です。

逆に、パネルを2〜3枚使って屋根上に載せる本格的な構成だと、タンクは80度近くまで上がります。火傷防止の観点からも、ミキシング弁は本当に必要不可欠。

我が家の場合は、一番お金をかけた割にあまり活躍していないパーツでもあります。もし壊れたら、迷わず安価なミキシング弁にリプレイスする予定です。

結論:それでも、やってよかったDIY

4つのデメリットを並べてきましたが、結論としてはやってよかったDIYです。

給湯器は毎日使うものなので、太陽の出る日は確実に効果を発揮してくれます。そして何より、太陽熱温水器は耐久性が異常に高い。ステンレスタンク以外は汎用的な部材ばかりで、太陽光システムと違ってメンテナンスが簡単。一度設置してしまえば、維持費用がほぼかかりません。

2026年はみらいエコ住宅2026事業で1戸あたり45,000円の補助金も使えます。中古パネル+DIYで設置すれば、補助金を差し引いた実質負担は10万円台もしくはそれ以下。光熱費の削減ペースを考えると、これほど投資効率のよい設備もそうそうありません。

太陽熱温水器は、見た目の問題と、訪問販売のイメージの悪さというダブルパンチで、いまだに人気がありません。情報も少ない分野なので、興味を持った方の参考になれば幸いです。