【DIY実例】キッチンを5cm底上げ+ほうき水栓に交換|新築の後悔を1万円で解消した話

注文住宅でコストを抑えるためにキッチンのグレードを下げる——この選択自体は間違いではありません。クリナップの工務店向け仕様「KTシリーズ」など、ステンレス天板が選べてコスパに優れた優秀なキッチンもあります。

ただし、価格を優先した結果、譲れないはずだった「使い勝手」が犠牲になることがあります。我が家の場合、それがキッチンの高さ水栓の性能でした。

キッチンの高さの目安は「身長÷2+5cm」と言われますが、標準仕様だと85cmしか選べないことがあります。たった5cmの差ですが、毎日何時間も立つ場所。前屈みの姿勢が続くと腰への負担は相当なものになります。標準的な水栓も位置が低く、大きな鍋や水筒を洗うときに蛇口へガツガツ当たるストレスがありました。

この記事では、新築の後悔を抱えたまま我慢していたキッチンを、DIYで5cm底上げ+TOTOほうき水栓に交換した記録をまとめます。材料費は合計で約1万円。海外製食洗機ミーレへの交換と合わせて作業しました。

キッチンの解体ついでに高さを上げる

新築時に高さを間違えると、あとが大変

キッチンを5cm上げるだけ——と思いがちですが、検索してもこの手の事例はほとんど出てきません。大人の身長が伸びるわけでもないので、新築時に高さを間違えるなというのが正論ではあります。

とはいえ、標準仕様で高さが選べなかった場合や、中古住宅で好みの高さではなかった場合、また子どもが成長して一緒に調理するタイミングなど、後から高さを変えたい場面は意外とあるはずです。

「台輪」を作ってキッチンの下に滑り込ませる

やり方は至ってシンプル。キッチンキャビネットの下に5cm程度の土台(台輪)を作って、キッチン本体を丸ごと持ち上げるだけです。

あとから知ったのですが、クリナップは各キャビネット幅に対応した「高さ調整用台輪」を販売していました。工務店経由では断られ、すでにキッチン発注済みだったので諦めましたが、早めに相談していれば後付けで変更できた可能性があります。

結果的には、自分で土台をDIYしてキッチンを乗せ直すことで、市販の台輪と同じことを実現できました。念願のキッチン高さ90cmです。

キッチンの高さが85cmでもミーレの食洗機は入りますが、90cmになれば食器を入れるためにしゃがむ距離も短くなります。毎日何度も繰り返す動作なので、5cmの差でも体感はかなり大きいです。

自作のキッチン土台はこちらです。

海外食洗機への交換ついでに作業

数日間、我が家のキッチンは傾いた状態でした。ここまで解体しないと、浅型食洗機から海外製食洗機への交換ができなかったためです。

正直、浅型食洗機はオススメしません。せめて深型を選んでください。とはいえ、ここまで解体したなら高さと水栓もまとめて変えられるはず——そう思い、新築時に失敗したと感じていた2点に踏み切りました。

食洗機交換を伴わず、純粋に水栓や天板高さだけが不満な場合は、リフォーム業者に依頼した方が確実だと思います。

キッチン下に5cmの土台を入れる

見た目はあまり変わらないものの、キッチンの5cm差は使用感としてはかなり大きいです。

まずは水栓側のキャビネット下に土台を滑り込ませます。

コンロ側にも同じく土台を入れ、最後に天板を元に戻します。書くと簡単ですが、実際は結構な大仕事でした。

想像以上に大変だった4つの落とし穴

「大工さんがキッチン下に木材を入れるだけ」と気軽に考えていましたが、やってみると想定外のトラブルが続出しました。

①ガスコンロが外れない

ガス栓には多少の遊びがあったため、ガスホースを外さなくても作業できました。ただ、長さに余裕がなければ都市ガス屋さんを呼んでホースを外してもらわなければ進めません。事前にガスホースの長さは必ず確認してから始めましょう

②止水栓までの距離が変わる

水栓までの距離がわずか数センチ変わるだけで、止水栓に届かなくなりました。本当にギリギリの設計で組まれているんですね。ホームセンターで5cmと10cmの延長継ぎ手を購入し、止水栓からの距離を伸ばして対応しました。

ちなみに、ここで初めてシールテープとパッキンの違いを理解しました。施工をミスしたままTwitterに上げると設備屋さんに容赦なくツッコまれますのでご注意を。

③壁の固定ネジが多くて狭い

とにかく固定ネジの数が多く、しかも作業スペースが狭くて非常にやりづらかったです。

④排水管からの臭い

キッチンを解体すると排水管がフリーになり、蓋をしないと下水の臭いが上がってきます。これがかなり臭い。作業中も排水管はしっかり仮蓋をして、汚水のにおいを上げないように対策しましょう。

かかった費用は約1万円

45角の木材と合板で5.05cmの高さアップ。今回かかった費用の内訳は以下のとおりです。

  • 木材 6,100円
  • 水栓延長のための部材・コーキングなど 3,900円
  • 合計 約10,000円

見た目は割り切って、機能性重視

木材の表面はあとでスプレー塗装などで適当に目立たなくする予定です。見た目より機能性優先で割り切りました。

水回りメンテナンススキルが一気に上がった

今回の作業で、水回りまわりの知識と施工スキルが一気に身につきました。

  • 給水配管の種類と知識
  • シールテープの施工
  • 排水配管のつなぎ直し
  • 100V/200V電源の変更
  • 給水配管の延長
  • サヤ管の延長
  • 長くて太いコーキング

家のあちこちで応用が利く、非常に勉強になる時間でした。

コーキングで仕上げ

距離の長いコーキングは、プロのようにきれいには仕上がりません。

徐々に上達するのですが、手前から始めてしまったため、一番目につくところが一番下手になりました…。DIYは見えないところから始めるのが鉄則ですね

キッチンの隙間から水が侵入さえしなければOK、と割り切ることにします。

ミーレの面材も色合いが偶然バッチリ合ったので、わざわざ取り寄せなくても問題なさそうです。

15cmの隙間は食洗機のパイプスペースとしてそのまま残しています。水漏れの目視確認もできるので、むしろ安心です。

クリナップキッチンにTOTOほうき水栓を後付けDIY

キッチンDIYシリーズの最終仕上げは、水栓の交換です。食洗機交換と高さアップを終えたあと、最後に手をつけたのが憧れだったTOTOの水ほうき水栓でした。

入手先はメルカリ。価格は10,000円。止水栓との高さが合わなかったのでニップルを追加で数百円。あとの部材は土台DIYのときの余りを流用しました。

新築時に泣く泣く諦めた憧れの水栓

新築の見積もり段階で、クリナップキッチンとTOTOキッチンには20万円以上の価格差がありました。キッチンにこだわりのなかった私は問題ありませんでしたが、妻は最後まで未練が残ったらしく、「10年後にはリフォームする!」と豪語していた経緯があります。

メルカリで格安出品を見つけたとき、「本当にクリナップに取り付くのか?」と不安はありましたが、失敗しても勉強料と思って妻には内緒で購入。ダメ元でチャレンジしました。

結論から言うと、クリナップのキッチンにTOTOのほうき水栓は問題なく取り付けできました。ほうき水栓は本来TOTOキッチンとセットでないと買えないはずですが、ほうき水栓が好みに合わずに手放す方もいるようで、中古市場にも少しずつ流通しているようです。

標準水栓の不満は、とにかく高さが低いこと。深い鍋や水筒を洗うのが本当に不便でした。交換後は水栓位置が高くなり、水跳ねが少し気になるものの、洗い物のストレスはかなり減りました。

ほうき水栓を諦めた方も、DIYで後付けは十分可能です。中古市場をチェックしてみてください。

まとめ:1万円で「理想のキッチン」が手に入る

新築時に泣く泣く諦めた理想のキッチンを、自分たちの手で、しかも約1万円で手に入れる。費用以上に大きかったのは、水回りメンテナンスのスキルが一気に身についたことでした。これは家を長く大切に使い続けるうえで、本当に強い武器になります。

「予算がないから」「もう発注済みだから」と諦めるのではなく、自分たちの手で理想を形にする。そんな『第2ルート』の家づくりが、新築の後悔をゼロに近づけ、毎日のキッチン時間を一段楽しいものに変えてくれるはずです。