冬の冷たい床を改善したい
床断熱リカバリー費用は15万円
ざっくりとですが、15万円ほどかかりました。実験的なことを行い、素材の種類を変えたり、プレカットしてみたりしたので、高めの金額となってます。いろいろと発注時の制約もあるため、サイズの大きい断熱材はしっかりと計画してから購入に踏み切る必要があります。
- 断熱材4cm厚 複数種類 合計31枚 約11万円(1枚あたり3,500円)
- プレカット費用 15,000円
- 断熱材送料 12,000円
- 気密テープ・他 13,000円
断熱材にこだわらなければ、アウンワークスでミラフォームM1Fを31枚購入すれば、58,000円で済むので購入費用を半減させることは可能です。ぜひ当記事を読んで、床下断熱リカバリーに挑戦してみてください。
温暖地域によくある中断熱では床が冷たい
たとえ少しくらい寒くても、なんとか暮らしてはいけますが、そのためにエアコンや暖房をガンガン使用していては、もはや、どこまで光熱費が上がるか分かりません。
室内では、たった1~2度の違いが暮らしやすさを圧倒的に変えますから、暖房での電気やガスの使用量を減らしても、床下からの寒さを減らしてあげることで、寒さを改善する家も多いかと思います。
家は性能で有名な一条工務店さんは、全館床暖房で有名です。節約志向の日本の暮らしには、局所的に床を温めて生活の質を向上させる工夫は相性が良いようです。
昔からある無断熱の家で寒くても、コタツやホットカーペットで冬の寒さを凌いでいる家庭は多いです。温かいカーペットなどに足が触れることで、体温を奪われることがありません。
家が寒い原因のNo2は床面
最も家が寒い原因は「窓」からの冷気であり、次に床からの寒さとなります。
窓の性能は内窓取付や窓の交換などを行わないと改善しにくいですが、床は断熱リカバリーしやすく、時間をかければ改善できますので、ぜひ一部分だけでも試してみてください。
無断熱なら劇的な効果があり、中断熱でも比較的安価に高断熱までリカバリーできます。
床の断熱性は改善できるのか?
この記事を見に来ている方は、一条工務店のような床が快適で過ごしているという方はいないでしょう。高断熱であればあるほど、費用対効果が見込めませんが、無断熱や断熱が薄い住宅には、床暖熱の改善効果は十分に見込めます。
また、全面の床リカバリーを行うよりも、まずはキッチンやトイレ、洗面などの配管の貫通部をまず優先的に行いましょう。効果が体感できたところで、さらに断熱リカバリーを進めていく流れです。効果が感じられないことは続けるのも苦痛になりますから、ポイントを絞って効果を体感しながら実行することで、楽しく床下に入っていくことができます。
リフォームに依頼できるのか?
リフォームでは、法外な値段を取られるか、断られるかのどちらかです。
まず、費用対効果は見込めず、法外な値段をふっかけられます。もっと短時間で稼げる仕事が多いので別の仕事の方が良いわけです。床下での延々と長い時間の作業の割に、デザインや見た目が変わるわけではありませんので、リフォームの仕事として請け負いたい人はなかなかいません。
この後お伝えする、自分でできる断熱リカバリーが床下断熱では一番向いています。YouTubeなどでも、床下断熱をがんばっている動画が多数見られますが、この記事では、仕入れ方法から、素材の選び方、プレカット以来の方法、取り付け方まで幅広くお伝えしていきます。
床断熱リカバリ方法
パターン① 発泡ウレタンスプレー
発泡ウレタンスプレーは貫通部のみに使う
YouTubeでよく見かけるのは発泡ウレタンスプレーで、床下から補修を行うという手ですが、素人には非常に難しいです。また、見栄えが悪く、元通りに戻せませんので、あまりオススメできません。特に床下の狭い空間の中で、上に向けてスプレーを吹くことが至難の業です。スプレー代は1,000円程度ですが、服にウレタンがつくと、粘着力が非常に強くすぐに取れなくなります。作業着以外では作業しないようにしましょう。私も何枚もウレタンが付いて処分しました。
ただし、発泡ウレタンスプレーは、配管の貫通部などにポイントを絞って行うことは効果が高いです。きちんとマスキングなどで周囲を保護しながら作業を行いましょう。スプレーは一日で使いきる必要がありますので、あらかじめ作業する場所を決めておき、一気に作業してしまうことも必要ですので、覚えておきましょう。スプレーの残りはもったいないですので、天井裏などスプレーするようにあらかじめ確認しておきましょう。放置すると余った中身まで固まってしまいます。
家は資産ですので、売却する可能性があります。床下を見て素人感丸出しの発泡ウレタンがボトボト垂れているDIYがされていたら、たとえ断熱・気密の向上が図れていたとしても、売却額としては大きなマイナス点です。この点も、ウレタンスプレーをオススメしない理由です。
ABC商会 発泡ウレタンスプレー(ショート)
360度噴射できるスプレーを買うべし
発泡ウレタンスプレーは、ホームセンターにも販売されています。迷ったらABC商会さんのインサルパックの小型タイプを数本購入してください。断熱メインではなく、配管などのピンポイントに隙間を埋めつつ断熱するのが目的ですので、360度どの角度からでもウレタンをスプレーできますので、非常にお手軽です。容量的にはロング官が良いのですが、狭い床下には不向きですので、ショートタイプの方が楽です。硬くなるまでに1~2時間かかりますので、注意しましょう。
パターン② 発泡ウレタンフォームを使う
費用対効果抜群の発泡ウレタン
ホームセンターで売っているスタイロフォームという発泡ウレタンフォームをカットして、床下からはめ込む方法が最もコスパが良いです。どのホームセンターでも厚みによって数種類販売されており、手軽に入手できます。スプレーに比べて広い範囲を断熱でき、2㎡ほどを2,000~3,000円程度で断熱リカバリーできます。
カッターでカットしてはめ込むだけなので、素人でも難しいことはなく、床下に持ち込めるサイズにカットできれば、後は地道に作業を続けるだけです。また、もし不具合が出たとしても、すぐに外しても元に戻せることも良い点です。
ホームセンターで買っていたら効率は悪い
ホームセンターで購入してカットする場合は本当に安く仕上げることができますが、非常に時間がかかります。断熱材を何度も買いに行ったり、カットして床下に運び、床下で再度微調整しながら、はめ込んでいくのはシンプルですけど時間はかかります。
そこで、床暖熱リカバリーを行う際は、プレカットした断熱材を購入しましょう。プレカットというのは、新築の際にも使われる、あらかじめ指定のサイズにピッタリとカットした状態で配送してくれるシステムです。
通常新築などの場合に使われますが、床下の断熱材がはまる部分のサイズを正確に計測することで、同じようにプレカットで断熱材を購入することができます。住宅は大体同じようなサイズに木材が組まれている場合が多いので、プレカットの依頼をするのも簡単です。
自宅の床を断熱リカバリーした時のノウハウをお伝えしていきます。
プレカット床断熱リカバリー方法
床下採寸
必要な断熱材の厚みと縦・横サイズをすべて計測してください。
床下のすべての部位で必要となります。
サイズをメモしたら、図面サイズをかき出し、断熱材の発注する枚数とサイズを割り出します。
1日ではなかなか終わりませんので、何度も床下に入ることになります。メモを画像ソフトなどでまとめておくと、後々とても便利です。
床下に断熱材を持ち込む際には、サイズに注意が必要です。床下点検口以上のサイズとなると、床下に入れることができませんし、大きすぎると例え床下に入ったとしても、床下内で曲げることができなくて、結局床下で切り刻むことにもなりかねません。この点も注意しましょう。
1820mm×550mmの断熱材は、床下に入るには入ったが、最初のカーブを曲がりきれず、アウト。
必要な工具
・レーザー距離計
・台車
・方眼紙
フルプレカット断熱材の購入
○ 縦横どちらかはカットなし
× 縦横どちらもカットしてある
住宅建築時には当たり前かもしれませんが、個人購入でプレカットしてくれる卸売業者は少ないです。
その中でも、断熱材の種類や厚みが選べて、カット料金が明確なサイトは一つしかありませんでした。
発注先はネット販売の「東海加工センター」
株式会社間宮さんの運営する東海加工センターがカット済みの断熱材を豊富に扱う業者さんです。
カット料金は1回165円
断熱材はカネライト・ネオマ・フェノバボードと3種類選べ、
厚みは様々なサイズが用意されいます。
さらにはスライスカットも希望があればやってくれるようです。
本来は建築図面が必要ですが、
1枚目~5枚目 398mm×805mm
6枚目~10枚目 398mm×850mm
などと指定すれば、その通りに最小カット数を割り出して見積もりを出してくれます。
実際に計測した寸法より1mm短いサイズで発注しましょう。どちらかは斜めから角度をつけてはめ込んでいくので、正確な寸法だとはめ込むのがとても難しいです。1mm程度の隙間が空きますが、気密テープ処理すれば問題ありません。
送料と自宅の置き場所も忘れずに
断熱材は非常にサイズが大きいので、送料も少し多めにかかります。ホームセンターで購入すると、無料な部分ですが、何度も何度も買いに行くことを考えたら、配送してもらうのも悪くはありません。
梱包時に最小限のサイズに梱包してくれるのと、余計な端材を処分して配送サイズを減らしてくれるので、ネット販売に慣れた東海加工センターさんはとても使いやすい業者さんです。
床下に入り断熱材をはめ込み、気密テープ処理する
断熱材をはめ込み、必要に応じ、プラスチックハンマーで叩いて空気を抜きつつ床材に密着させます。そして、下からさせつつ4隅を気密テープで止めていきます。
・隙間が大きく空いたら、端材を詰め込む
・細かいことは気にせず、気密テープ処理
・必要に応じ、ビス留め処理
貫通部のテープ処理は丁寧に
すでに発泡ウレタンスプレーで、気密処理しているなら良いのですが、隙間が空いてそうなら丁寧にテープ処理しましょう。
DIYで超重要な断熱材とDIYグッズの購入方法
硬質発泡ウレタンボードの購入先
お近くのホームセンターでは購入をオススメしません。
断熱材から購入すると下処理が大変
カットがとても大変です。既に床が貼ってある引き渡し後のリカバリーの場合は、床下点検口から断熱材を床下に運び入れます。50cm以下のサイズに刻む必要がありますので、たとえカッターで簡単に切れるとはいえ、とても大変です。
また、断熱材の厚みが5cm程度ならよいのですが、それ以上の厚みになると手作業でのカットより、専用機械によるプレカットの方がダンゼンオススメです。
ホームセンターには、在庫も少ないです。様々な厚みがある断熱材は1サイズ当たりの枚数が少ないので、床下全体に敷き詰めようとすると確実に何店舗か回る必要がでてくるので時間がもったいないです。
市販品は断熱材のスペックが低い
断熱材の卸売店から購入しないと、断熱材のスペックが低くて、せっかく苦労して作業しても効果が薄いことになっていまします。断熱材のスペックを上げると必然的に高くなり、ホームセンターでは売れなくなってしまいます。ですので、断熱材の専門店から購入する必要があります。
結論は「東海加工センター」でフルプレカット
プレカットは、1カットに165円かかりますが、非常に楽です。また、カットの際に出る端材もごみとして廃棄してくれるので、必要分を購入することができます。端材も使い切ろうと欲張りたくなる気持ちもありますが、実際細かな断熱材は、数日眺めて捨てるしかないでしょう。
梱包も最小限にして配送してくれます。
カネライトE-Ⅰ、カネライトE-Ⅲ
安くて、加工しやすいのが特徴です。カネライトE-Ⅰのスペックとしては熱伝導率0.036、カネライトE-Ⅲは熱伝導率0.028となっており、比較的安価に購入できます。
床下に厚く施工できるスペースがあるならば、安価にできるカネライトはオススメです。ただし、床下に断熱材をはめ込む厚みが短い場合は、断熱性能が出しずらいので、もっとスペックの高いフェノバボードやネオマフォームを推奨します。せっかくやるなら、断熱効果がないと意味がありません。
無断熱の床スペック
昔の家のスタンダードで、合板のみで暑さや寒さをしのぎます。和室の畳が前提の無断熱ですね。
カネライトE-Ⅰ 10cm厚
無断熱からの断熱性能が6.8倍になりました。木には断熱性能が多少ありますが、やはり断熱材は桁違いに性能が高いです。
カネライトE-Ⅲ 10cm厚
さらに同じ10cm厚でも、断熱材のスペックを上げると8.5倍の断熱性能を発揮します。無断熱からの床下リカバリーだと10cm厚を施工するスペースがあるので、十分な性能向上に繋がります。ただし、すでに数cmの断熱材が貼ってある場合は注意が必要です。テープ処理できないような厚みの断熱材は使えないからです。その場合は、もっと性能の良い断熱材を使う必要があります。
ネオマフォーム 5cm厚
たった5cmで無断熱の6.3倍の性能を発揮します。先ほどの10cm厚と比べてもあまりかわらない数字となり、いかに高性能断熱材が優れているかがわかります。ただし、加工はしずらく、自分でカットすることは出来ないと思った方が良いです。表面だけかたく素材でカバーされていますが、内部は柔らかく崩れやすい素材であるため、プレカットが必須です。
フェノバボード 5cm厚
たった5cmで無断熱の6.5倍の性能を発揮します。すでに断熱材が貼ってあるけど、まだ寒いという家には高性能な断熱材を増しばりすることで、断熱リカバリーすることができます。
上記のポイントを押さえて、素材選びをしましょう。
防水・気密テープ(アクリルタイプ)
断熱材を強力な粘着テープで固定するために大事なことは、アクリルタイプを購入することです。
気密テープには、作業性が良く手に張り付きにくいアクリルタイプと、強力に張り付きのり面がべっとりとつくブチルタイプがあります。ブチルタイプを使うと、床下の断熱材や木材にブチル材が付きとれなくなりますので、将来的に剝がしたり、やり直したりするときに非常に大変になります。必ずアクリルタイプを購入しましょう。
見た目は養生テープやガムテープと変わりありませんが、粘着力が非常に強く、耐久性も非常に長く設計されています。粘着面の飛び出るサイドにも強力な粘着力が発生するので、カバーされているのが特徴です。使い勝手の良かったこの2種類のどちらかなら間違いありません。
日本住環境 ツーエステープ(黒)
気密といったら日本住環境というくらい有名どころ。気密部材として、さまざまなサイズの気密テープを発売しています。床下に最適なのは、コスト的に考えても50mm。色はやっぱり黒です。
プロ用のため、ロット単位で販売しているサイトが多く、リアル店舗では販売しているところを見かけませんでした。アマゾンで単品で買える店舗がありましたので、探してみてください。
気密テープの使用途中でも、サイドがべたつかないのが最高です。透明なヒダヒダが最後までついてくるので、作業性が非常に高まります。床下だとテープを汚い床におくことが多く、その度にサイドにはみ出ている強力な粘着力でゴミを拾ってしまいますが、この気密テープは床に直置きしても問題なしです。
ロットが大きく単価も高いですが、メルカリなどの中古サイトで断熱リカバリーで余った物をまとめて処分していることが多いので、まずは大量ロット買いより、中古サイトで購入して、使用感を確かめてみてください。熱で歪んでしまう場合などもありますが、使用上は問題ありません。
あと、名前が気密テープと分かりづらいのもデメリットです。こんなに良いテープなのに、素人だとこの情報にたどり着けません。もっと売れて価格が下がってくれることを祈っています。
配管周りなど、何度も手でカットする場面ではツーエステープはとても便利でした。
光洋化学 エースクロス031粗面用(黒)
比較的安価に購入できるのと、粘着力が強力なところがメリットです。
粘着性の性能値を公表しており、031タイプは同社の強力気密テープ011タイプの1.5倍の粘着力があり、床下から凸凹面の断熱材に貼っていくのに最適な気密テープです。剥離紙が20mすべてについているので、先に地上でカットして床下に持って行くと効率が上がります。ただし、気密テープのサイドの紙を剥がすのがめんどくさいです。ここは破れない素材にして欲しいところです。
また、最大のデメリットはホームセンターなどでの扱いが少ないことです。011タイプは多く扱っていますが、031は完全に業者用です。住宅関係以外は強力すぎて用途がないので、なかなかリアル店舗では売っていません。こちらも使い勝手がよければ、ネットで買いだめしましょう。
黒が欲しかったのですが、ネットでも小ロットでは売ってなかったため、白になってしまいました。
断熱材を分割してしまった場合など、下から抑えるのに粘着力が高いテープが必要なときは重宝します。一旦張り付いたら、なかなかはがれませんので、隅っこなどの細かい作業には向きませんが、断熱材と断熱材の間などにはベストなテープです。
光洋化学 エースクロス011(黒)
ホームセンターなどで手軽に購入できる気密防水テープです。あまり個数は多く置いていない店舗が多かったですが、数個は在庫があり年末に買い占めに回ってしまいました。
このテープも、サイドが紙となっていますので、剥がすのがめんどくさかったです。安いので仕方がないところですが。
断熱材と木の貼り付けならば、こちらでも全く問題ないと思います。上記の気密テープと使い分けし、長持ちするように計画しつつ、費用も考えつつ部材購入を進めましょう。
便利グッズ
レーザー距離計
床下の断熱材サイズを正確に計測することができます。メジャーでは無理ですので、デジタル距離計は確実に購入しましょう。
ゴムハンマー
断熱材をはめ込んで、床面にガッチリとはめ込み空気を抜きたいときに下から叩きます。うまく入らない時なども、ハンマーで叩けば多少のサイズ違いでもはめ込むことが出来ます。
床下用 養生マットロール
床下を這いつくばって進みますので、暖かい養生マットを引いておくと作業がやりやすいです。1mのロールなので、半分程度にカッターでざっくりとカットして、床下に入れてコロコロ転がしてリカバリー道を作りましょう。
床下用台車
自分が乗る用の台車を一つと、部材を運ぶ台車が数個あると、作業効率が上がります。配管があるので、一つの台車に乗って進み続けることが出来ないので、複数台車があると乗り継ぎし、円滑に床下を進めます。