電気屋さんのエアコン取り付け失敗に4年後に気づく

我が家は、新築時にはエアコンなしにして、引き渡し後にゆっくりと取り付けしました。ちょうど春だったから特に急ぐことがなかったのが理由ですが、工務店経由でエアコン貫通穴を開けると非常に高額だったというのが主な理由です。

その施工費用をケチった結果、外壁に大きな穴が空いていました。気密に詳しくない電気屋さんが工事を行うと誰でもやってしまう可能性がありますので、依頼先にはご注意ください。

私は、エアコン取り付けにあたっては、誰がやったかをハッキリさせたかったので、経験豊富そうな近所の電気屋さんにお願いしました。個人事業主であり、下請け依頼ではなく直接施工してくれました。引越し前の取り外しから、我が家のエアコン5台の取り付けを全てお願いしています。

ただし、近所の電気屋さんは取り付けの腕はありますが、住宅の知識は全くありませんでした。信頼したばかりにエアコン施工途中は邪魔しないように、作業時は全く見ていなかった為、のちの気密測定で驚愕の隙間を発見することとなりました。

新築4年後のレンタル気密測定時に、エアコン裏から猛烈な勢いで風が流入して来たのです。予算が許すならば、エアコン配管はせめて建築時の外壁が貼られる前に作業してもらいましょう。

この記事を見れば、悪戦苦闘のエアコン外壁貫通部の補修について詳しく知ることができます。怪しいエアコン取り付け業者だったり、激安業者だったり、極端にエアコンの効きが悪い部屋だったりする場合は、リカバリー方法が参考になるかもしれません。

隙間サイズは、1台当たり7.3cm2だった

実は、このエアコンの貫通穴の補修は自分でDIYで行っています。しかも、その後にさらに気密測定を行って隙間サイズが減ったかを確認しています。

124cm2→102cm2へ、3台のエアコン貫通穴を埋めることで、かなり改善されました。1台当たり7.3cm2ほどの隙間があった計算です。C値も0.88→0.73まで改善。n値は1.63→1.43と大きく改善。大きい穴が減って、小さな隙間が残っているという数値的結果となりました。

2階エアコンで室外機は1階置きの難易度が高すぎますが、リカバリー方法も発見したので是非試してみてください。

エアコンダクトの隙間状況

外壁のみパテ埋め(スリーブもなし)

見た目はこんな感じです。問題ないと思いますか?

通気層内はパテなし

実は問題ありすぎで、外壁面のパテを除去すると、パテなしでポッカリと隙間が空いていました。これは、隙間面積が何センチでしょうか?我が家は家の全隙間面積が124cm2だったので、その総隙間面積の中のエアコンが占める部分が大きいことは、簡単に予想ができます。

しかも防水シートも切り裂いたままの状態。もし、通気層の上側から水が入ったら、壁内に水が入って住宅が相当なダメージを負うことになっていました。気づいて良かったです。

気密層をぶち破るエアコン工事の図解

見た目は良いのですけど、外壁を一つめくってみると、ズタボロの気密シートが出てきます。そして、隙間風が好き放題侵入しています。

これはエアコン取り付け業者さんだけが悪い訳ではありません。安価なエアコンを家電屋で購入し、その下請けに入っている電気屋さんに任せっぱなしにして工事をさせ、適正な工事費用を払わない体質が問題であり、末端の作業員さんには悪気はないと思います。

エアコン取り付け業者さんがもし我が家のように大きな隙間を開けて行ってしまった場合は、サクッと自分で補修してしまいましょう。

エアコンダクトの隙間の補修手順

① 防水シートの補修

防水・気密テープを使って、しっかりと防水シート部分が壁内に巻き込むように施工します。もはやこの状態では外壁を貫通するスリーブはつけれませんから、防水・気密テープで代用させます。

非常に狭くてやりづらいので、エアコンダクトカバーを外し、室外機を少し動かしながら、配管を左右に動かしながら指を突っ込み作業しました。

② 内部に断熱材詰め込み

後ほど、内壁側からさらにウレタンスプレーをするとベストです。通気層側は発泡ウレタンでは気密層で膨れてしまいますので、パテ埋めしましょう。パテだけだと断熱は弱そうなので、カットした断熱材を詰め込みました。

③ コーキングで隙間を埋める

通気層手前でしっかりと空気が室内に入らないようにコーキングします。配管の下部分に最初にコーキングし、しっかりと隙間をなくしましょう。

パテでも良いのですが、パテは気密部材ではありません。追随性がなく隙間が空きやすい素材で、数年後にどうしても固くなり、隙間風が入ってきてしまいます。室内側と違い環境変化が激しいので劣化も進んでしまいます。

その点、気密部材と呼ばれるコーキング・シーリング・気密テープは耐久性が非常に高く作られています。面倒でも、ガンタイプのシーリングをしておけば、劣化を防止することができて非常に安心です。

④ 元通り戻して完成

戻してしまうと、見た目は変わりませんが、効果は絶大です。外壁側だけ埋めてあるのか?通気層もしっかりと埋めてあるのか?この手間暇と数千円の補修費用が、数年後に大きな差となってあらわれてきます。壁の中に湿気が入ってしまうと、大変ですからね。

2階のエアコンの場合の対処方法

2階の足場がない場合は、室内側から対処する

スリーブを使っていない場合は、断熱材が削られたままむき出しの空間になっています。外壁側を塞ぐことができないので、石膏ボードをパテ埋めしたとしても、焼け石に水です。

処理前は風速0.1mの隙間風

パテを取ると風速2m以上

ウレタン緩衝材を使う

メルカリやネットショップを利用した際に、隙間を埋めるためにいっぱい入ってくるスポンジを使って、まず発砲ウレタンの隙間を塞ぎます。発砲ウレタンスプレーを使うと、外壁側まで膨らんでしまい、通気層の防水シートを外側に押し出してしまう可能性があるので、手作業で一つ一つウレタンを詰め込んで、パンパンに隙間をなくします。結構穴が大きかったので、72個も入ってしまいました。

ウレタン詰め込み後は0.1mの隙間風

気密テープ処理で仕上げ 風速0m

完全に隙間風がなくなりました。石膏ボード裏の中にも最小限の外気の侵入になりました。誰にでも簡単に出来る気密リカバリーです。

エアコンを改善したら、おとめちゃんも取り付けよう

高気密な部屋には、ドレンダクトの逆流防止は必須

こちらの記事を参考にしてください。

今回使用した費用と購入方法

費用 ¥2,000円

主にパテ2kg分の購入です。断熱材の端材や、防水・気密テープなどは、自宅に保管したあったものを使用しています。

使用したツール(参考)

気密テープは、アクリルタイプの日本住環境さんの片面50mmテープが一番最適です。ウレタンスプレーは、ABC商会さんのスプレーが360度の角度で使えるので便利。ピンクで目立ちます。